
近年は海洋ゴミ問題がメディアに取り上げられることもありますが、海洋ゴミの根本的なところはプラスチックゴミ問題です。
そこで海で見つかるプラスチックごみを観察してみると、いろいろなことに気が付きます。例えば小さなプラスチックごみも、大まかにいくつかの種類に分類できることが可能です。
海で見つかる小さなプラスチック
◆ 硬質プラスチック破片

ポリバケツやカラーコーンなどの破片。素材や色は様々です。
◆ 発泡スチロール破片

食品トレーや梱包材、漁業浮きなどに使われる発泡スチロールの破片。クッションの中身にも使われます。
◆ フィルム状破片

食品包装やレジ袋などの破片。たくさんありますが風に飛ばされたり劣化して崩れたりと、すぐに見えなくなります。
◇ レジンペレット

プラスチック製品の材料となるもの。ぬいぐるみの詰め物などにも使われます。
◆ 繊維状破片

ロープや釣り糸のほかに不織布や化学繊維衣料の糸くずなどがあります。
◆ ゴム状破片

ゴムバンドや釣り具のワーム、タイヤゴムなど。天然ゴムと合成ゴムがあります。
◆ 人工芝破片

屋外で使用されることが多い人工芝のちぎれたものが、水辺ではよく見つかります。
◇ 肥料カプセル

ゆっくりと時間をかけて成分が溶け出す肥料に使われるカプセル。自然分解されるものも増えてきています。
プラスチックはその大きさから、5ミリ以下のものをマイクロプラスチック、それよりももっと小さなナノプラスチックなどと分類して呼ばれることもあります。
大きなものは生き物が誤飲して窒息するなどの被害が起きており、マイクロプラスチックや名のプラスチックはその大きさから生き物の胃の中や血液中に入り込み、体調に異変を起こす可能性も指摘されています。
小さなプラスチックは屋外で使用されたプラスチックやポイ捨てゴミが劣化して小さく分解したものもあれば、レジンペレットやサンドペーパーに使われるプラスチック粒子のようにもともと小さかったものもあります。
身の回りにどのようなプラスチックがありどのように処理がされるのか、自然の中に流出したときにどのような影響があるのかを知ることは大切です。